CHALLENGE挑戦する風土

街とつながり、
地域の「居場所」となる

地域でファイブグループの存在感を高める。ブランド横断で常連さんを増やす「吉祥寺チーム」の挑戦

お客さんにとっての「地域の楽しい居場所」を増やし、店舗には新たな常連さんが増えるWin-Winの戦略。

2020年春、社内でも初となる「地域SV(スーパーバイザー)」がファイブグループの本拠地でもある吉祥寺に誕生した。この試みの中で『ガブ飲み処 鬼ぞりゴリラ』『ペコリ』『串屋横町』『半兵ヱ』、この4店舗が「吉祥寺チーム」として一丸となり、地域にもっとファイブグループを根付かせていく挑戦をはじめた。近隣店舗や地域のお客さんとのつながりを意図的につくることを促進するべく「二軒目紹介」をキーワードにお客さんをファイブグループ系列店に紹介する企画を展開しつづけている。

これにより『ペコリ』の常連さんが『串屋横町』の新たな常連さんになるといった、ファイブグループ内でお客さんが巡回する流れが生まれるようになった。そして、何より地域のお客さんに吉祥寺での楽しい居場所を増やす機会を増やしている。

このブランドの異なる4店舗を統括し、地域SVをつとめるのがMJ-Fun事業部の豊田賢吾だ。

ファイブグループ系列店をつなげることで新たな可能性が広がる。

ファイブグループの各ブランドは企業理念のもと、基本的な文化や考え方を共有している。一方で、ブランドごとの独自性が強く、各リーダーが裁量を持って運営しているために、地域内にファイブグループの店舗が複数あっても、ブランドが異なれば、同じグループとしての認識がされにくい状態となっていた。でもブランドの枠を越えて、グループとして相乗効果を生み出せる可能性があると、豊田は感じていた。

「『ペコリ』と『串屋横町』の2店舗で同時に店長をしたとき、それぞれに忙しい時間帯が異なるので、アルバイトの人員配置を、ブランドをまたいで融通し合うといった独自の取り組みを行っていました。それがブランド横断で4店舗を統括する地域スーパーバイザーを任されるきっかけともなっています。近くにあるファイブグループの系列店を、同じ仲間として捉えることで新たな可能性が広がることを肌で経験していた僕は今回の「地域SV」のミッションを与えられて“よし、地域のリーディングカンパニーになるぞ!”と意気込みました」

コロナ禍で「地域に根付いた店舗が勝ち残る」ことに気づかされた。

豊田がスーパーバイザーに就任した2020年春は、コロナ禍で飲食店が大きな打撃を受ける時期に重なった。営業時間や酒類の提供に制限がかかり、周囲では休業や閉店となる店舗も増えた。地域が元気をなくし、居場所を失った人もいる。そんな状況でも、多くのお客さんが集まり、熱狂的に支持される店舗があることに豊田は気づかされる。

「たとえば吉祥寺でいえばハモニカ横町、ダイヤ街、ヨドバシ裏にあるような、地域のコミュニティに深く根付き、濃い関係をお客さんと築いてきたお店の底力を実感しました。それに比べて、自分たちはまだまだ顔が知られていない。まずは“地域で顔を覚えてもらえる存在になろう!”とミーティングでみんなと話をして、仲良くなったお客さんと一緒に他のお店に行ったり、元気のいいお店を訪れたりするようにしました。アルバイトの子も楽しみながら一緒に取り組んでくれて、今や店長以上に地域で知られている子もいます(笑)」

常連さんへの「二軒目紹介」で、ファイブグループ系列店をご案内。

そして、ブランドを横断して店舗と店舗をつなげる取り組みとして「二軒目紹介」企画が生まれた。たとえば『ペコリ』の常連さんに、「二軒目は私たちの系列店はいかがですか?」と『串屋横町』をご案内するというもの。ブランドの枠を越えてファイブグループとして売り込むことは、紹介された店舗にも責任が生じる。来ていただいたお客さんを楽しませる気持ちを、「吉祥寺チーム」のみんなが共有していなければ成立しない企画だ。

「お店を紹介することでお客さんの期待値があがるので、もしも残念な思いをしたら、常連さんが離れてしまうかもしれないという懸念はあると思います。でも、どの店舗を紹介しても大丈夫!という自信が僕にはありました。スーパーバイザーとしては店長の育成が一番の役割なので、この企画を通してみんなが今まで以上にお客さんを楽しませることに本気になって欲しい。よきライバルとして切磋琢磨しあって、成長してもらいたいという思いもあり、店長たちに何度も描いた世界観を伝えました。」

お店には新しい常連さんが増え、お客さんには新しい居場所ができる。

「二軒目紹介」を、現場のスタッフはどのように捉え、実際どのような効果が出ているのだろうか?『串屋横町』の店舗社員である根本しおりは、自分の店舗のことを考えるだけではなく、ファイブグループとして系列店のつながりを意識することで、地域や、人とのつながりをより一層考えるようになったと言う。

「二軒目紹介で来店されたお客さんは特に“何が何でも楽しませるぞ!”という気持ちをアルバイトのみんなとも共有して、いつも以上にコミュニケーションに力を入れました。あまり特別扱いしすぎてもいけないけれど、どうしても気合いが入ります(笑) 実際、そこから当店の新しい常連さんになってくれた方もいますし、うちの常連さんから他のブランドの常連さんになった方もいます。吉祥寺に、お客さんの楽しい居場所を増やすことができていることを実感しています。」

お客さんにファイブグループに興味を持っていただけるようになった。

これまでは店舗それぞれについていたファンが、系列の他店舗も知ることで、起きてきた変化があると豊田は感じている。

「こちらから言わなくとも、ファイブグループという会社をお客様が勝手に調べてくれるようになりました。“あそこも系列店だよね”と。ブランド単体のファンだったときは店舗の名前で覚えられているけれど、ファイブグループとして認識されるようになった。これは大きな変化ですね。“理念がいいよね”とか、“どこの店舗も若い子がすごくがんばっていて応援したくなるんだよね”とか。この間、仲のいい常連さんと飲みに行ったとき、そんな話をされて、すごく嬉しかったですね。」

知り合いがどんどん増えていき吉祥寺の一員になった実感がある。

『串屋横町』の根本は、もともと吉祥寺が好きでお店で知り合った常連さんと飲みに行く機会も多かったが、「吉祥寺チーム」としての取り組みがはじまったことで、地域で顔を覚えてもらいたい意識が強くなり、より積極的に自分をアピールするようになったと言う。

「もともと人と人とのつながりを大事にしてきたのですが、ファイブグループとして地域で愛されるお店になるという意識を持つと、周りとつながりたい気持ちがもっと強くなりました。仲のいい常連さんと近くのお店に行ったときに “この人『串屋横町』の社員さんだよ”と紹介をしてもらえるようになったりもして、地域にどんどん知り合いが増えていきました。そうやって地域や人とつながっていることを自分自身が実感できていることが嬉しい。だから、私自身もつなぐ存在となれるよう、たとえばお店に1人で来ているお客さん同士を共通の話題でつないで、もっと楽しんでもらえる場にするといったことを、前よりも意図的に行うようになりました。」

楽しくなれる居場所を複数つくることで、地域のお客さんをもっと元気に。

コロナ禍で飲食店が打撃を受け、それまで通っていた居場所を失ってしまった人も多くいる。だからこそ、地域に自分の行きつけとなる居場所がある価値は大きい。豊田が「吉祥寺チーム」で今後取り組んでいこうとしていることは?

「人は気分によって食べたいものや飲みたいものも変わりますよね。だから楽しくなれる居場所が複数あっていい。“今日はあそこに行きたい”“また行きたい”と思う場所がいくつもあれば、人も地域も元気になると思うんです。実は二軒目紹介をはじめたことで、常連さんの再来店率もアップしています。前よりもお店のファンになってくれている手応えを感じます。僕は熊本出身で、将来は飲食業を通して地元を元気にしたいというビジョンを描いています。いま吉祥寺で取り組んでいることが、きっと、将来に活かされると信じています。」

ファイブグループには居酒屋業態だけでなく定食業態のブランドもある。複数のブランドが枠を越えてつながることで、お客さんの新しい居場所をつくることはもちろん、ブランド間で人材やノウハウを交流させる可能性も広がる。豊田の現時点の満足度は40点。地域スーパーバイザーという新しいミッションへの挑戦ははじまったばかりだ。